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前川國男とは

前川國男

前川國男(1905〜1986)は日本における近現代建築の始まりを体現する建築家と言える。第二次世界大戦後にはモダニズムの旗手として日本建築界を牽引した。

前川は1928年に大学を卒業し、翌日からシベリア鉄道経由でフランスに渡りル・コルビュジエのアトリエに入っている。当時、ヨーロッパには日本人の建築家や画家・技術者を志した若者が多く滞在していた。その中でも前川はモダニズム建築を牽引していたコルビュジエのもとで3年に渡る実務経験を積み、サヴォワ邸やアジール・フロッタンなどの進行を直に目撃している。今日、コルビュジエ財団のアーカイブに1929年以降の図面作成者記録が残されており、前川が在籍中に50枚の図面を作成したことが判明している。残されているパースの1枚(12063/FLC)には前川が書いた日本語のメモが読み取れる。前川の滞在は長いとは言えないが、アジール・フロッタンのリノベーションでは設計から完成まで従事し、モダニズムの熱気の中にいた前川の足跡を見て取ることができる。

前川は1930年に帰国し、その後はアントニオ・レーモンドの元で学び、1935年に独立している。以後は精力的に設計活動を行い、国際文化会館・東京文化会館・京都会館・など日本全国に多くのモダニズム建築を残した。また、前川國男建築設計事務所からは丹下健三を筆頭に建築家たちを多く輩出し、その丹下の元からは黒川紀章、磯崎新、槇文彦、谷口吉生などさらに多くの建築家が生まれている。若き前川がコルビュジエのもとに駆けつけたことがアジール・フロッタン復活プロジェクトの遠因であり、アジール・フロッタンは前川國男とコルビュジエからの日本建築界への遺産であり、今後も続く日仏建築文化交流のための未来への遺産とも言える。

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MIDビルにコルビュジエを迎える

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パリ、セーブル通り35番にあったコルビュジエのアトリエでの風景

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MIDビル製図室にて前川國男とル・コルビュジエ

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目黒自邸の居間でくつろぐ前川夫妻

WORKS

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国際文化会館

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国際文化会館

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東京文化会館

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国立西洋美術館

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