Comprendre

Le Corbusier

ル・コルビュジエがアジール・フロッタンを設計した背景には、その時代の縁に引き寄せられた女性たちがいた。

ある人は放置された石炭船を改修するアイデアとともに、パートナーの遺産を慈善団体に寄付する。

ある人は建築家の才能を見抜き、設計者に推薦するとともに、資金を出す……。

数珠つなぎのように辿られる人と人のつながりによって、「浮かぶ避難船」は実現された。

そして70年以上のときを経て、難民収容船としての役割を終えたおんぼろ船は、その魅力に惹きつけられた5人の有志によって、再び日の目をみることになる。

アジール・フロッタンを取り巻く人々

1929 年前後、アジール・フロッタンの実現や、21 世紀の再生プロジェクトに至るまで、この船にまつわる人々を紹介する。

アジール・フロッタンを取り巻く人々

🅐 ル・コルビュジェ(1887-1965)

Le Corbusier

建築家。スイス生まれ。鉄筋コンクリート建築の先駆者で あるオーギュスト・ペレの事務所を経て、ピエール・ジャンヌレと共にパリに事務所を開く。近代建築の5原則を表 現した「サヴォア邸」などの住宅にはじまり、第2次世界 大戦後にマルセイユやベルリンで実現した「ユニテ・ダビタシオン」、「ロンシャンの礼拝堂」や「ラ・トゥールレットの修道院」などの宗教建築、インド・チャンディーガル における都市計画など、多岐にわたる設計活動を展開。初 期から画家としても活動し、『建築をめざして』『モデュロール』など数々の理論的著作を発表するなど、世界の建築、 都市計画、芸術に影響を与えた。

🅑 ナタリー・クリフォード・バーネイ(1876-1972)

Natalie Clifford Barney

作家。1876 年アメリカ・オハイオ州生まれ。同性愛者として生涯女性遍歴を重ねるとともに、パリ・ヤコブ通り20 番 地に世界中の作家、芸術家、著名人が集うサロンを開く。 同じ住所にはル・コルビュジエが1917 年から37 年の20 年 間暮らし、サロンの人々と交流した。

🅒 ウィナレッタ・シンガー(1865-1943)

Winnaretta Singer

家庭用ミシンを発明したアイザック・シンガーの娘で、父 親の財産を相続。パトロンとして多くの音楽家・芸術家を庇護した。建築にも関心を示し、『エスプリ・ヌーボー』誌を購読、ピューリズムにも賛同。救世軍プロジェクトの設計者としてコルビュジエを推薦し、資金援助を行った。

🅓 マドレーヌ・ジルハルト(1863-1950)

Madeleine Zillhardt

ルイーズ=カトリーヌ・ブレスローのパートナー。ブレスローの死後、展覧会開催や美術館への作品寄贈、出版など 彼女の再評価に尽くす。救世軍将校の妻ブランシュ・ペイロンにルーアンに打ち捨てられていたリエージュ号を浮浪者収容所に改修するアイデアを提供、ブレスローの名前を つけることを条件に、相続した財産を託した。

🅔 ルイーズ=カトリーヌ・ブレスロー(1856-1927)

Louise Catherine Breslau

画家。ドイツ生まれのスイス人。アカデミー・ジュリアンからパリのサロンにデビュー。若い頃から女性画家として 高い評価を集め、エドガー・ドガらとも交流した。生涯喘息に苦しみながら制作。死後、同性愛者のパートナーであっ たマドレーヌがその財産を相続した。名前はバラの品種にもなった。

🅕 世界救世軍とペイロン夫妻

l’Armée du Salut

1865 年イギリス・ロンドン東部の貧しい労働者階級に伝道 するために設立されたキリスト教(プロテスタント)の団体。 現在では世界128 の国と地域で活動する。ペイロン夫妻は フランスの指揮官(将校)として、貧窮者や失業者などを 保護する施設をつくるプロジェクトを推進した。

🅖 簡略株式会社ルイーズ・カトリーヌと5人のオーナー

Francis Kertekian, Jean-Marc Domange, Rene Lenoble, Virginie Le Carvennec, Michel Cantal-Dupart

ほぼ全員がアジール・フロッタン近隣のオーステリッツ駅 に停泊する船に住んだ経験があり、アジール・フロッタン への長い列を眺めていた。2006 年共同して救世軍から放 置されていたアジール・フロッタンを買い取り、船の管理 と、修復と活用に取り組む2つの会社を設立した。

🅗 前川國男(1905-1986)

Kunio Maekawa

日本の建築家。1928 年から30 年まで渡仏し、ル・コルビュ ジエの事務所で学ぶ。帰国後アントニン・レーモンドの事 務所を経て独立。戦後日本のモダニズム建築をリードした。 代表作に「東京文化会館」「埼玉県立博物館」など。

🅘 遠藤秀平(1960-)

Shuhei Endo

日本の建築家。パリで出版した作品集「Paramodern Manifest」をきっかけに、アジール・フロッタン修復のた めのシェルターの設計を依頼される。

主体:一般社団法人 日本建築設計学会

協力:公益財団法人 国際文化会館

   ARCHITECTS STUDIO JAPAN INC.

   ル・コルビュジエ財団

   前田博(2020.10 浮上写真)

   古賀順子(写真)

   遠藤秀平建築研究所(写真)

   神戸大学遠藤研究室(2019~2023 アニメーション)

資料提供:畑陽子(2008/2010 映像)

     菱川勢一(2019 映像)

     Nicolas Brasseur(2020 映像)

     スターリン・エルメンドルフ(2017 写真)

     © ル・コルビュジエ財団

     前川建築設計事務所

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